老人ホームの面会に制限はある?コロナ禍での面会形式や時間、手土産まで解説

記事公開日 2023/02/16

記事公開日 2023/02/16

老人ホームの面会

老人ホームでの面会方法は新型コロナウイルスの流行によって大きく変わりました。しかし5類への移行が決定したため、今後は気軽に面会しやすくなるかもしれません。
とはいえ感染症がなくなったわけではなく、今後も対策をしながらの面会となることが考えられます。
この記事では、老人ホームの面会形式や当日の準備だけでなく、面会時間や回数の決まり、手土産のルールについて解説します。

老人ホームでの面会はコロナ禍でもできる?

新型コロナウイルスに感染すると高齢者は重症化しやすく、一時期は老人ホームでの面会が制限されていました。しかし感染症対策やワクチン接種が進んだ現在では、面会をしやすくなった施設が増えています。

2021年11月には厚生労働省から下記の通知がありました。

面会については、感染経路の遮断という観点と、つながりや交流が心身の健康に与える影響という観点から、地域における発生状況等も踏まえ、可能な限り安全に実施できる方法を検討すること。

可能な限り安全な面会を実施するため、面会方法は各施設の管理者が判断します。感染状況や各都道府県の感染対策の方針、入居者・面会者の体調や検査結果などを考慮したうえでの判断です。

また2023年1月には、新型コロナウイルス感染症が2類から5類へ移行することが決定しました。
厚生労働省はさっそく面会再開へ向けてのリーフレットを出しており、「新しい生活様式を踏まえた面会のポイント」などを施設向けに案内しています。

感染状況にもよるでしょうが、もしかしたら2023年5月8日の5類移行のあとは、より面会しやすくなるかもしれません。

老人ホームで行われる面会の形式は?

老人ホームで行われる面会の形式は?

新型コロナウイルスが流行する以前は直接会う面会形式がメインでしたが、感染症予防の観点から面会の形式が増えました。
コロナ禍における老人ホームの面会形式には、主に下記の3種類があります。

・直接面会
・ガラス越し面会
・オンライン面会

ここでは、それぞれの面会形式の特徴を解説します。

直接面会

直接面会は、居室や相談室のような専用の場所を使用して、入居者と面会者が同じ空間で過ごす面会形式です。両者の間にパーテーションが設置されていることがありますが、仕切りをなくしている施設もあります。

直接面会はお互いの声や表情が把握しやすく、コミュニケーションをとりやすいといったメリットがあるでしょう。

ただし感染症予防の観点から、たいていの施設ではルールが設けられています。
例えば以下のような内容です。

・新型コロナウイルスワクチン接種証明書や陰性証明書を求められる
・親族のみが面会できる
・施設と同じ都道府県に居住している人のみが面会できる

同じ空間で過ごす面会形式だけにルールは厳しいですが、直接会えることによる入居者の安心感は大きいでしょう。

ガラス越し面会

ガラス越し面会は、窓ガラス越しに入居者と対面して電話などで会話する面会方法です。建物内と外での通話にはなりますが、窓ガラス越しに顔を見ながら話せます。
面会者と入居者は別々の空間にいるため、感染リスクを低くできるメリットがあります。コロナ禍に対応した、安心して話しやすい面会形式です。

オンライン面会

ビデオ通話を利用したオンライン面会をする老人ホームもあります。ZoomやLINEなどを利用する方法です。
直接会うわけではないため感染リスクもなく、気軽に面会できます。遠方に住んでいても面会しやすいことから、オンライン面会を実施する施設は一気に増えました。

気軽に面会しやすいオンライン面会ですが、他の面会形式と同じように時間制限があることがほとんどです。面会時間は10分や15分など、施設によって異なります。

面会者が施設を訪れ、施設内でオンライン面会をするような老人ホームもあります。用意されたタブレットなどで会話をするため、入居者と直接会うことはありません。
マスクの着用や事前の検温などは、施設のルールに従いましょう。

老人ホームで入居者と面会する前の準備

老人ホームで入居者と面会するためには準備が必要です。感染予防のためにも施設の案内に従うようにしてください。
施設にもよりますが、以下のような準備を求められることが多いでしょう。

・事前に面会の予約をする
・コロナのワクチン接種証明書や陰性証明書を準備する
・訪問前に検温する

上記以外の準備が必要なこともあるため、詳しくは施設に確認してみてください。

事前に面会の予約をする

老人ホームで入居者と面会するためには、たいてい事前の面会予約が必要です。予約が必要かわからない場合には前もって確認しておくと安心です。
予約の際には、同伴者の制限などといった条件についても確認しておくと当日スムーズに面会できます。

コロナのワクチン接種証明書や陰性証明書を準備する

老人ホームの面会では、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書や陰性証明書が必要なこともあります。面会の日程に間に合うように準備しましょう。

訪問前には検温をする

訪問前には検温を行い、熱があったらその日の面会を取りやめましょう。免疫の弱い高齢者にウイルスを感染させてしまう可能性があり危険です。
熱以外にも咳や吐き気など健康状態に懸念が残る場合は、万が一のことを考えて面会を延期してください。

老人ホームの面会時間や回数に決まりはある?

老人ホームでは、面会時間や回数に決まりを設けていることがあります。
詳しい決まりは施設によって異なりますので、面会前に確認してみてくださいね。

面会の回数

コロナの影響によって面会の回数を制限する施設が増えました。回数は施設ごとに異なり、週1回までや月2回までなどさまざまです。

入居者は家族と顔を合わせることで安心感を覚えます。入居者や面会者が苦痛にならない程度に、できる限りの高い頻度で面会できるといいでしょう。
ただし、入居者に認知症の症状があると、家族と会うことで混乱してしまうケースもあります。入居者に適した面会回数は症状や体調によって異なるため、施設に確認しておくと安心です。

面会できる時間帯

多くの施設では面会できる時間帯が決められています。施設によって異なりますが、9時から19時頃までの日中に設定されていることが多いでしょう。
昼食やおやつタイムが終わった15時から17時頃の間は比較的落ち着いているため、ゆっくりと面会しやすい傾向です。

面会での滞在時間

面会で滞在できる時間も施設によって異なります。面会時間は30分までなど決まりがある施設もあれば、特に制限が設けられていない施設もありさまざまです。

面会時間が短く設定されていると、世間話に終始してしまい必要なことを伝え損なったり、決められた時間を超えてしまったりすることもあるかもしれません。あらかじめ伝えるべき内容に優先順位をつけておくなどの準備をしておきましょう。

反対に、滞在時間に決まりがない施設では入居者と十分なコミュニケーションをとれる点が魅力的であるものの、長時間の滞在は入居者の身体に負担をかけるおそれがあります。入居者の健康状態に気を配りつつ、無理のない範囲で滞在してください。
また、食事やリハビリ、入浴、レクリエーションなどの時間と被らないように調整しましょう。

入居中の高齢者におすすめの手土産、注意したい手土産

入居中の高齢者におすすめの手土産、注意したい手土産

老人ホームの面会で持参する手土産は、せっかくなら入居するご本人に喜んでもらえるものにしたいですよね。
しかし、なかには注意すべき手土産や、避けたほうが無難な手土産もあります。

ここでは、入居中の高齢者におすすめの手土産、注意したい手土産について解説します。

おすすめの手土産

老人ホームに入居する高齢者におすすめの手土産は、タオルやひざ掛け、または洋服などの衣類です。
タオルは実用性が高い消耗品のため、何枚あっても困りません。また、ひざ掛けや衣類は普段から身に付けたり使ったりできるため、入居者が面会者を思い出すきっかけにもなります。

冬にはルームソックス、夏には外出用の帽子など、季節を感じられる手土産も喜ばれます。

注意が必要な手土産

食べ物の手土産を選ぶ際には注意が必要です。入居者によっては糖尿病や高血圧など持病の影響により、施設で食事制限をしています。
また、衛生面や食中毒の懸念から、お寿司などの生ものや自宅で手作りした料理の差し入れを禁止する施設もあります。自家製のたくあんは良くても浅漬けは禁止などと細かな条件を設けている施設もあるため、判断に迷ったら施設に確認しておくと安心です。

避けたい手土産

香水や割れ物は手土産に向きません。香水などの匂いものは、人によっては不快に感じることがあります。またガラスの置物や湯呑などの割れ物は、何かの拍子に割れてしまうとケガに繋がる危険があります。
他人の迷惑になる可能性があったり少しでも危険が予想できたりするものは避けたほうが無難でしょう。

スタッフへの手土産は不要

感謝の気持ちを伝えたいとの思いから、老人ホームのスタッフに差し入れを考えることがあるかもしれません。しかし、スタッフへの手土産は基本的に不要です。
入居者の公平性を保つために手土産を断る施設もあるため、感謝の気持ちは直接言葉で伝えるのがいいでしょう。

老人ホームの面会に関するよくある質問

老人ホームの面会に関するよくある質問

老人ホームの面会に関するよくある質問を紹介します。
面会に不安な点がある方やスムーズな面会をしたい方はぜひ参考にしてみてください。

面会にはコロナの陰性証明書が必要ですか?

直接面会のように施設内で入居者と顔を合わせる場合は、PCR検査の陰性証明書やワクチン接種の証明書などを必要とする施設もあります。
施設が求める書類を用意し、面会時に持参しましょう。必要となる書類は面会の予約時などにあらかじめ確認してみてください。

家族以外を面会に連れていくことはできますか?

家族以外が面会できることもありますが、コロナ禍のため面会者を親族のみなどと制限している施設もあります。

しかし友人など第三者との面会にはメリットがあります。社会的な繋がりが感じられ、前向きな気持ちになる入居者もいるため、可能であれば積極的に面会するといいでしょう。
ただし、第三者の訪問によって入居者が負担を感じてしまうことも考えられます。施設だけでなく本人にも確認したうえで、家族以外の面会を検討しましょう。

オンライン面会では会話が続きません。何を話せばいいですか?

オンライン面会では「何か話さなければ」などと無言の時間が気になってしまうかもしれません。
会話のとっかかりは、天気などの当たり障りない話題が無難です。また、ご家族が入居者の状況を把握するためにも、最近変わった出来事はないか、体調の変化はないかを聞いてみるとよいでしょう。
孫の成長など入居者が喜びそうな話はもちろん、趣味や地域の話題、昔の思い出話など、他愛のない話をしてみてください。

ただし、もともと口下手な入居者も少なくありません。話す内容があまりないときには、無理をして話を引き延ばす必要はないでしょう。話の濃さよりも、頻繁に顔を見せることで入居者は安心します。
難しく考えず、普段通りの気軽なコミュニケーションを楽しみましょう。

今後は老人ホームの面会がしやすくなるかも?

コロナ渦での老人ホームの面会方法は主に「直接面会」「ガラス越し面会」「オンライン面会」の3種類があります。
現在では面会にさまざまな制限がありますが、新型コロナウイルス感染症が5類に移行すれば面会もしやすくなるかもしれません。
そのときの状況に合わせてできるだけ頻繁に顔を見せてあげられるといいですね。

老人ホーム相談室LP

著者:オアシス介護

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