記事公開日 2022/05/28
記事公開日 2022/05/28
長年続けてきたたばこやお酒の習慣は、すでに生活の一部でになっています。そのため、簡単にやめられるものではありません。高齢者であっても要介護状態であっても、嗜好品をたしなみたい方は多いものです。
ご質問の回答としては、「喫煙や飲酒ができる老人ホームはあります」。ただ、どの施設でもたばこが吸えたりお酒が飲めたりするわけではありません。また、その場所が限定されることがほとんどです。
施設にはそれぞれのルールがあります。入居を決めるからには、その施設の決まり事をしっかり守る必要があります。
喫煙場所は、施設が決めた喫煙スペースの利用を求められることが多いでしょう。自分の部屋でゆったりとくつろぎながらたばこを吸いたい人も多いでしょうが、自室は禁煙となっていることがほとんどです。
自室での喫煙は廊下などに煙や匂いがもれてしまったり、室内がヤニで変色してしまいます。他の入居者や、そのあとに部屋を利用する人のためにも、できるだけきれいに部屋を保っておくことが必要です。
また喫煙にはライターやマッチを使用します。居室での喫煙は、寝具などに火が燃え移る可能性もあります。火事になる危険性もあるため、所定の場所に喫煙スペースを設けているケースが多いのです。
認知症の場合は特に火の取り扱いに注意が必要なこともあり、ライターはスタッフが預かるという施設もあります。
しかし、たばこを吸える施設だけではなく、全面禁煙の老人ホームもあります。最近では受動喫煙対策にも目を向けていかなければならないからです。
2018年7月より非喫煙者の望まない受動喫煙を防止するため、健康増進法の一部を改正する法律が成立しました。これにより、病院や診療所などは敷地内が原則禁煙となっています。
社会全体の受動喫煙に関する取り組みも一層強くなっているので、今後はさらに全面禁煙の施設が増えることも考えられます。喫煙者にとっては、ありがたくない方向に進んでいるといえます。
受動喫煙や火事の可能性があるたばことは違い、アルコールはまわりへの影響が大きくありません。そのため、お酒をたしなめる施設が多い印象です。
ただし、飲酒できる場所に指定がある老人ホームがほとんどです。多くの施設では、お酒は自室で楽しむように決められています。食事を部屋に持ち帰って晩酌をたしなむようなケースもあります。
施設の入居者は健康な人ばかりではありません。飲みたくても飲めない人がいることへの配慮は必要でしょう。
また、飲みすぎてまわりに迷惑をかけることのないよう、適量にとどめることも大切です。
老人ホームで喫煙や飲酒をたしなむなら、施設のルールに従うことが第一です。しかし、ルール以前にたばこを吸ったりアルコールを飲める人は健康上の問題がない人のみ。
医師により制限されている場合はもちろん禁止です。嗜好品をたしなむためには、健康であることが一番の条件といえるでしょう。また、家族の許可が必要なこともあります。
飲酒や喫煙を楽しむためには、日頃からの健康管理も必要といえそうです。
喫煙や飲酒は他の入居者に迷惑をかける可能性がありますが、お菓子やジュースはどうでしょうか。
こちらに関しても施設によって取り決めがあります。自分の部屋でなら問題ないことが多いですが、他の入居者におすそ分けするのはあまり好ましくありません。渡した人に医師からの制限があるかもしれないからです。
もちろんそれは本人も同様です。特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っている場合は、施設で提供される食事以外を摂取することができない可能性があるので注意が必要です。
有料老人ホームは、高齢者が暮らす生活の場。要介護度の重い人もいれば、病気を持つ人、体調がすぐれない人もいます。嗜好品を楽しむのであれば、まわりの入居者への配慮が必要です。
施設のルールを守り、自らの健康管理も行って、いつまでもたばこやお酒を楽しめる身体状態でいられるように心掛けましょう。
喫煙や飲酒が可能かどうかは、各老人ホームに確認してください。なお、条件を絞り込むことで希望の立地や料金帯が選べなくなる可能性もあります。施設を探すためには、条件の優先順位をつけて選んでいくことをおすすします。