記事公開日 2023/12/22 更新日 2023/12/22
記事公開日 2023/12/22
更新日 2023/12/22
老人ホームを選ぶ際に、食事は重要なポイントのひとつとなります。施設での生活を楽しむためにも、よりより健康状態で生活するためにも食事は欠かせません。
今回は老人ホームにおける食事提供について、献立や食事形態などを詳しく解説します。
近年では多様な食のニーズに対応した老人ホームが増え、栄養バランスやカロリーはもちろん、味付けや見た目にも各施設が工夫を凝らしています。
「高齢者の食事はこうでなければ」という固定概念に囚われないメニューを作る施設も少なくありません。
フルコースや高級割烹のように豪華な食事を提供する施設もありますが、ここでは一般的な献立例を通常時とイベント時に分けて見ていきましょう。
通常時に出される食事は、和食だけでなく洋食や中華料理など、バラエティーに富んだメニューが用意されている施設が多いです。
入居者が毎日の食事を飽きずに楽しめるよう、日ごとのメニューが考えられています。
昼食例
ごはん、肉野菜炒め、ほうれん草の和え物、すまし汁 など
夕食例
混ぜごはん、豚の角煮、野菜のソテー、わかめスープ、デザート など
多くの施設で、季節の行事に合わせたイベント食を提供しています。
お正月や節分、ひな祭り、端午の節句、クリスマスなど、通常時よりも特別感のあるメニューを提供することで、入居者の日常を食事の面でも彩ります。
介護が必要になるなど外出の機会が減る高齢者にとって、食事は大きな楽しみのひとつです。
そのため、どんな食事が提供されているかも老人ホーム選びのポイントとなります。
事前に食事内容についても納得してから入居を決めたいところでしょう。施設を検討する際に役立つ4つの確認方法をご紹介します。
老人ホームの見学はできればお昼の時間に合わせて行き、実際に提供されているメニューや食事中の入居者、スタッフの様子を見せてもらいましょう。
献立はもちろん、食事介助のサポート体制やどのような食器を使っているかなど、細かい部分もよく観察します。
見学時に試食できる施設もあるので、味付けや彩り、盛り付け、料理の温かさなどを確認するとよいでしょう。特に味付けは個人の好みが出やすいので、できれば入居する本人が試食すると安心です。
見学予約の際は、「食事風景を見たい」「試食したい」などの要望を事前に伝えておきます。施設側にも準備があるので、見学時に突然希望を出すのはNGです。
施設での食事は、基本的に献立表に沿って提供されます。献立表で毎日のメニューを確認し、好みに合うか、季節感があるか、バラエティーに富んでいるかなどをチェックしましょう。
高齢者が見た場合でも一目でどんな献立か理解できるメニュー名かどうかも確認したいポイントです。
見学の際は、可能であれば献立表をもらっておきましょう。難しければ、スタッフの許可を得て撮影しておくと、あとで他の施設と比較する際に便利です。
食事は施設ごとの違いが大きく表れる部分です。食事のこだわりポイントを確認しておくと、他の施設と比較しやすいでしょう。
旬の食材を使用している、地産地消を心がけている、自家菜園を持っている、専属のシェフがいる、メニューが選べる、品数が多いなど、施設によってさまざまなこだわりがあります。
3食のなかでも、朝食は特にスタッフが忙しい時間帯に提供される食事です。
施設の食事に対する姿勢が表れやすい部分なので、献立が簡素になりすぎていないかを確認しましょう。
入居前に体験入居ができれば実際に朝食を食べられます。その際には、スタッフの態度に違和感がないかなども見ておくと安心です。
時間や人手が限られているなかで、どれだけ入居者のことを考えられているか、可能な範囲で手間がかけられているかは、施設によって差が出るポイントです。
食事の詳細は施設のパンフレットだけで判断できないため、見学で確認する必要があります。具体的にどこに注目すべきか、チェックしたい4つのポイントをご紹介しましょう。
高齢者は嚥下の状態や持病などによって食べられる食事の形態が限られることがあります。まずは施設がどのような食事形態に対応しているか、入居するご本人の食事形態として適しているかを確認するとよいでしょう。
また、高齢者は急な体調不良が起こることも考えられます。当日の体調に合わせて食事を変更してくれるかも確認しておくと安心です。
老人ホームで提供される食事形態は、主に4種類あります。
一般の健康な人が食べるような食事です。どの施設でも普通食を基本としており、健康状態に応じて他の形態へと変更します。
気分に合わせてメニューを選べるセレクト食を提供している施設もあります。
加齢に伴う身体の変化に対応した食事です。歳を取ると、飲み込む力や咀嚼力が低下したり、味覚が衰えるなどの身体の変化が起こります。
高齢者食はこういった身体の変化に合わせて、食べやすいよう具材を一口サイズにカットしたり、食材にかくし包丁を入れるなど、高齢者がおいしく食事ができるような工夫を施しています。
高齢者食を食べるのも難しい人向けの食事です。一人ひとりの健康状態や嚥下機能に合わせて調整されますが、老人ホームで提供される主な介護食は以下の通りです。
持病により食事内容の調節が必要な入居者向けの食事です。
腎臓病のある方であれば塩分やカリウムを制限した献立にする、糖尿病の方であればエネルギー過多にならないよう体格に合わせた量にするといったように、病気の特徴にあわせて食事を調整します。
老人ホームにおける食事は、施設内のキッチンで作られる場合と、食事作りを外部に委託している場合があります。見学の際に調理師やキッチンの様子が分かると、作り手を知ることができ安心につながるでしょう。
施設、委託業者のどちらであっても、味や施設ごとのこだわり、費用などを総合的に見て判断するのがおすすめです。
食費は外部に委託する方が安くなる傾向にあります。
施設やスタッフの食事サービスへの姿勢は、食堂などの環境に表れます。落ち着いて食事を摂れるスペースが確保されているか、清潔が保たれているかなど、細かく確認しましょう。
施設によって食事に関するさまざまな独自ルールが定められています。厳しすぎるルールや入居予定者の考え方と異なるルールがないかはもちろんのこと、もともとの生活習慣との差が大きくないかも確認してみましょう。
特に食事の時間帯や長さなどは、入居前の生活から大きく変化しない方が安心でしょう。
食の好みは人それぞれ異なるため、すべての入居者が満足できる食事を提供することは難しいでしょう。食事にこだわる施設もありますが、それでも万人受けするとは限りません。
また老人ホームは食事サービスの提供が最大の目的ではないため、食事にかける予算や人員には限度があります。
それでも施設側が対応できることであれば、苦情を放っておかずに改善に向けて動いてくれるかもしれません。
食事がおいしいかおいしくないかは、見学の際に試食をして確認しておくのが一番です。可能な限りご本人が試食をし、好みに合うかをチェックしておきましょう。
老人ホームでは入居者の生活を食事の面でも支えています。施設での生活の質を上げるために季節やイベントに沿った献立が提供されていたり、健康状態にあわせて食事形態が調整されたりと、施設ではさまざまな工夫をしています。
日々をよりよく過ごすためには、身体をつくる食事への意識が欠かせません。老人ホーム選びの際は介護サービスや費用、設備、スタッフだけでなく、どんな食事が提供されているのかにも注目してみてはいかがでしょうか。
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