記事公開日 2022/05/28
記事公開日 2022/05/28
老人ホームに入居すると、簡単に外出や外泊ができず生活が制限されてしまう……。そんなイメージがあるかもしれません。
しかし、ほとんどの有料老人ホームは、外食や買い物はもちろん旅行などにも出かけることが可能です。年末年始やお盆などの長期休暇の際には、自宅に帰って過ごされる方も多く、気軽に外出や外泊を楽しめます。
施設ごとに定められたルールを守ることで、離れて暮らしていても家族や友人と楽しい時間を共有することができるのです。
ただし、老人ホームは自宅での生活とは異なるため、外出・外泊にはルールがあります。この点に関しては、あとで解説します。
また、以下のような方は外出できない可能性があります。
・体調がすぐれない方
・介護度が重い方や認知症などで付き添いが必要な方
・外出や外泊で、心身のバランスが崩れてしまう恐れがある方
・医療的なケアが必要な方
これらのような方は、外出が制限されるケースもあるので、事前に医師の指示を仰いだり、施設に相談してみましょう。スタッフが付き添ってくれる施設もるため、外出時のサポート体制を確認しておくと安心です。
外出・外泊するためには、施設のルールを守り、本人の体調管理にも十分注意することが必要です。老人ホームの入居者が、外出・外泊を安全に楽しむための注意点をチェックしてみましょう。
外出や外泊の予定が決まったら、事前に施設へ申し出ておきましょう。施設では1日のスケジュールがおおむね決まっているため、食事の準備や入浴などの予定を事前に組んでいます。
決められた期日までに申請がない場合は、実際に食べていなくても食費が発生してしまうので注意が必要です。
申し出は「前日まで」「当日〇時まで」など施設ごとに決められています。申し出に関係なく食費がかかる場合もあるので、できれば入居前に確認しておくとよいでしょう。
また、外出の都合に合わせて、入浴やリハビリの日程を調整してもらえることもあるので、前もって相談してみてください。
申し出は、外出届などを記入する、当日口頭でOKなど、老人ホームにより異なります。届け出がないとスムーズに出かけられない恐れもあるため、外出や外泊に必要な手続きを確認しておきましょう。
老人ホームでは門限を設けている場合があります。24時間自由に出入りできる施設であれば問題ありませんが、門限が定められていなら必ず守るようにしましょう。
どうしても間に合わない場合は、できる限り早めに施設へ連絡をして指示を仰ぎます。
就寝時間を過ぎてからの施設への出入りは、防犯上の問題もありますし、他の入居者の迷惑になりかねません。会話や物音には十分気を付け、周りの方への配慮を忘れないようにしましょう。
外出や外泊の際は、いつもの生活環境と異なるため、薬のことを忘れてしまいがちです。薬が施設管理の場合は、事前に薬の受け取りを忘れないようにしましょう。
また、外出や外泊の楽しさや忙しさから、服薬時間を忘れてしまうこともあります。飲み忘れ防止に、携帯のアラームなどを利用するとよいでしょう。
外出や外泊時には、できる限り施設での生活に近いリズムで行動するようにします。高齢の方や特に認知症のある方は、生活環境の変化に敏感です。スムーズに施設の生活リズムに戻れるように注意しておきましょう。
また、旅行などは時間に余裕を持ったスケジュールを立て、疲れを残さず帰れるようにします。施設に戻ってから心身が不安定になることがないように配慮し、外出や外泊を楽しみましょう。
短期間の外泊では、通常通り利用料金の支払いが必要となる施設が多いでしょう。食費は事前の申請があれば、食べなかった食事分を割り引いてもらえる場合がほとんどです。
入院などで長期間不在になる場合には、日割り計算で利用料を計算してくれたり、食費や光熱費のみ無料になる施設などがあります。
毎月の利用料金を支払っていれば、退去せず居室のキープができますが、入院が数か月に及ぶなど長期間不在になる場合は、施設との相談が必要となってきます。施設ごとの契約内容を確認しておきましょう。
なかには、周囲の迷惑にならなければ、家族が同室に泊まることができる施設もあります。また、入居者の居室とは別に、家族が宿泊する部屋が準備されている施設もあり、週末や休日を一緒に過ごすことができます。
外出や外泊が難しい方なら、家族が老人ホームに泊まるという選択肢もあるでしょう。
ただし、家族が宿泊する際には、宿泊料金が発生します。1泊の値段や食事・入浴の可否などは、施設により異なりますので事前に問い合わせてみてください。
老人ホームに入居しても、家族や友人との時間は大切なものです。積極的に外出や外泊をすれば、体力的にも気力的にも元気になります。生きがいができ、結果的に要介護度の進行を遅らせることもできるかもしれません。
移動が心配な場合は介護タクシーなどを利用したり、旅行であれば介護スタッフが同行する旅行サービスなどを利用すると安心です。
老人ホームへの入居後も、外出や外泊を上手に利用し、家族や友人との時間を楽しみましょう。